庭園には、その国の文化や歴史、価値観や美意識が詰まっています。
世界中の庭を見てまわり、独自のユーモアあふれる切り口での庭園解説が人気の、庭園デサイナー烏賀陽百合（うがやゆり）さんの案内で訪ねる庭園シリーズ。
名庭園を、初心者の方にもわかりやすく楽しく解説します。今までとまた違った景色が広がるはずです。

昭和の作庭家、重森三玲の故郷岡山吉備中央町にある記念館と名庭をめぐります。記念館には三玲氏が残した書画に加え、「日本庭園史体系」など多数の著作や鹿苑寺金閣寺をはじめとする著名庭園実測図などを収蔵しています。
力強さと繊細さを兼ね備えた処女作である「天籟庵」、熨斗を基本としてデザインされたモダンな池庭で、近代日本庭園の傑作といわれた「友琳の庭」、三玲氏と職人がわずか二日間で中国古来の世界観に日本の美意識を当てはめた新しい表現方法で作ったとされる個人邸宅の庭園を訪れます。